【呪われた島】ポヴェーリア島
イタリアのヴェネツィア沖にある小さな島、ポヴェーリア島。
呪われた島と呼ばれるようになったその経緯とは・・・
・かつては発展していた
9世紀ころ、この島は順調に発展し人口も増え、独自の首長を持つほどでした。
ところがヴェネツィア共和国の敵であるジェノヴァ共和国から攻撃を受け、
1379年、島に要塞を築きポヴェーリアの住人はジュデッカ島への移住を余儀なくされた。
以降ポヴェーリアは無人島となった。
・検査所からペスト患者収容所へ
1776年、ポヴェーリアはヴェネツィア共和国の公衆衛生局となり、
船でヴェネツィアに出入りする人々や物の検査所となった。
そして1793年、通ろうとした船に数名ペスト患者がいたことからこの島は一時的にペスト患者の隔離収容施設として使われる。
そしてこの島にはペスト患者が次々と収容された。
当時ペストは不治の病とされていて、有効な治療法はないうえ感染者は広がるばかり。
治療も受けられずこの島で苦しみながら命を落としたものは大勢いたという。
健康な人間が島に足を踏み入れるとペストに感染し治療も受けられないまま死に至る。
これが一度立ち入ると生きては出られない島と呼ばれるようになった所以だろう。
・精神病院としてのポヴェーリア
そして20世紀に入り1922年。
この島に隔離精神病棟が建てられ、今度は精神に異常をきたしたものが収容された。
ところがその病棟では医者が自身の欲のために非道な人体実験を行ったとか、
手の付けられなくなった患者に簡単にロボトミー手術を行ったり、
患者や医者が殺人、自殺をしたりと
悪い噂が後を絶たなかったため1968年に閉院に追い込まれる。
・現在のポヴェーリア島
そして現在、この島は「呪われた島」や「世界一幽霊が出る島」と呼ばれており、イタリア政府により立ち入り禁止区域指定されている。
こうした黒い歴史を持つポヴェーリア島。
ポヴェーリアで亡くなった人の数は10万人以上といわれていて、その霊が島中をさまよっているのだ。
島には無数の遺体が未だ眠っていて、島の土壌の半分は遺灰だといわれている。
恐ろしいが、悲しい歴史を持つ島である。