【よってらっしゃい】見世物小屋【みてらっしゃい】
現代社会では規制によりすっかり見かけなくなってしまった見世物小屋。
昔は夏祭りなどで老若男女問わず人気を博した娯楽だったことをご存じであろうか。
見世物小屋とは
日常では見られないような芸、生き物を見せる興行である。
小屋仕掛けになっており、小屋の中では芸人による超人的な芸、珍奇な生き物、奇
形、身体的障害をもった人間によるショーが繰り広げられる。
特徴的な呼び込み通称「タンカ」で客を寄せ、
各地をまわるため小屋は簡易的であり、小屋の外にはその日行われる演目が描かれた看板が掲げられている。
テレビやゲーム、ネットなど娯楽の多様化や人権問題、動物愛護の観点から見世物小屋は減ってきている。
海外では「フリークショー」と呼ばれ、サーカスの隣でサイドショーとして興行された。
主な見世物
・曲芸
・手品
・奇形の生き物・人間
・性交
・大男
・怪力男
・蛇女ー蛇を食らう女。サソリや芋虫もある。
・ダルマ女ー手足のない女
・人間火炎放射
などこれ以外にも沢山ある。
上記の内容から見世物小屋がどういったところなのかお判りいただけただろうか。
見世物小屋の歴史
散楽は曲芸、踊り、奇術、幻術など娯楽的要素の高い芸能の総称で、奈良時代に中国大陸から入ってきた。
その頃は芸や踊りを披露するのが主であった。
そして江戸時代。
芸だけでなく異形の生き物や人間も見世物として扱われ皆が想像するような今の見世物小屋の形が確立した。
当時は歌舞伎や相撲という娯楽もあったが価格が高かったため、人々はリーズナブルな見世物小屋に足を運んだという。
縁日では出店に並んで見世物小屋が並ぶ姿が定番だった。
しかし時代が流れるにつれ世間では身体障害者への差別、動物愛護の意識が高まり見世物小屋はネガティブでアンダーグラウンドなイメージが定着するようになった。
見世物小屋で働いていた人たち
・蛇女
劇団女優もやられているそう。こんな美人が蛇を食らうのだ。
・首が180度曲がる男性
・異様に細い男性
・脚が4本ある女性
・顔面が毛でおおわれた男性
・脚の関節が逆に曲がった少女
見世物小屋が盛んだったころ、身体障害者や奇形で生まれた者たちは働きどころがなかった。
そんな人々の唯一働けるところが見世物小屋であった。
現在の見世物小屋
今では数が少なくなった見世物小屋。
現在でも興行しているのは「大寅興行社」ただ一つである。
正確には「大寅興行社」が興行主で「劇団ゴキブリコンビナート」がパフォーマンスを行っている。
彼らのパフォーマンスは毎年11月に行われている新宿は花園神社の「酉の市」で見ることができる。
しかし毎年「これが最後」とうたわれているため2020年も見れるかは定かでない。
大変希少になってしまった見世物小屋。きっと彼らが日本最後の見世物興行だろう。